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シニア割りで楽しむ美術館巡り!
年齢を重ねることで楽しみが増えることは沢山あります。
例えば趣味の範囲を拡げる。
今までの人生では、あまり注目していなかったもの。
今までの人生で、興味を失ってしまったもの。
これから趣味を見つけるチャンスなのかも知れません。
例えば美術館巡りなんて、どうでしょうか?
美術館巡りは、旅先で、あるいは近所で非日常を体験する極上のエンターティメントになるかも知れません。
特にアクティブシニアにとっての特典の一つに、シルバー割り・シニア割りという特典があります。
対象年齢は65歳・70歳と様々ですが、それでも値段以上の体験がより楽しめます。
美術館は全国各地にあります。
中には無料で入場できる美術館もあるため、お目当ての作品が展示されている美術館
或いはフラッと立ち寄った美術館で、今まで見過ごしていた新しい発見に出逢えるかも知れません。
美術館をより楽しむためには、事前に美術館の特徴を調べたり、展示されている作品を調べたりで予習しておくことがオススメです。
また今回のように、ゴッホと浮世絵の関係などの視点から興味が湧くこともあるでしょう。
趣味を拡げる上で、美術館巡りを一考してみませんか。
趣味に加えたい美術館巡り!有名な浮世絵とゴッホの共通点とは
美術館巡りは、年齢を問わず多くの人々に楽しまれています。
美術館には、様々な作品が展示されていますが、その中でも有名な浮世絵やゴッホの作品は、多くの人々から愛されています。
では、この2つには、どのような共通点があるのでしょうか?
まずは、浮世絵とゴッホの共通点として挙げられるのは、「人物画」です。
浮世絵は、江戸時代に描かれた日本の版画で、多くの場合、女性や芸能人、風俗を題材にしています。一方、ゴッホは、19世紀末に活躍したオランダの画家で、自然や人物をモチーフにした作品が多く、彼が描く絵は、人を惹きつける独特の表現や魅力に富んでいます。
また、2つの作品に共通するもう一つの特徴は、「色使い」です。
浮世絵は、鮮やかな色使いが特徴で、また、木版画であるため、繰り返し印刷されることが多く、同じデザインでも色の組み合わせを変えたものが多数存在します。
ゴッホの作品にも、鮮やかな色使いが見られますが、彼は印象派としても知られており、色を効果的に使って、光の表現を行っているのです。
趣味として楽しむ浮世絵の世界
浮世絵は、日本独自の美術表現であり、江戸時代に盛んに制作された版画です。
浮世絵は、人々の日常生活を描いた作品から、美人画や風景画、歴史画まで多様なジャンルがあります。また、浮世絵は、その技法や色使いが独特で、木版画の製作技術によって制作されました。
ゴッホが生きていた時代、19世紀後半にヨーロッパを中心に大流行した日本趣味といわれる
「ジャポニズム」
ゴッホは浮世絵と出逢い、衝撃と影響を受けたといわれています。
また近年、浮世絵の価値が再評価され、海外でも注目されているのです。
美術館での展示や、オークションでの高値取引など、浮世絵は存在感が増しています。
浮世絵を趣味として楽しむには、美術館での鑑賞や、書籍やインターネットを通じた知識を得ることがおすすめです。
また、現代アーティストによる浮世絵風の作品も制作されており、新しい浮世絵の楽しみ方もあります。
浮世絵の魅力に触れて、絵画や美術館巡りを趣味に加えてみるのはいかがでしょうか。
・江戸時代の浮世絵師と作品例
江戸時代に活躍した浮世絵師には、葛飾北斎、歌川広重、喜多川歌麿、東洲斎写楽など多くの名前が挙げられます。
これらの浮世絵師が描いた作品は、美しい風景や日常生活の情景、有名人の肖像など多岐にわたります。
次に代表的な作品例を挙げていきます。
これらの作品は、当時の生活や文化、美意識を知るうえで貴重な資料となっているのです。
葛飾北斎
葛飾北斎は江戸生まれの浮世絵師であり、代表作に『富嶽三十六景』や『北斎漫画』があります。生涯に3万点を超える作品を発表し、若い時から優れた才能を発揮していました。
特に『富嶽三十六景』は、代表作として有名であり、西洋の芸術家にも大きな影響を与えたと言われています。
北斎は知密な線描と濃密な色使いで、大自然や神話的な世界を描き、その技術は世界的に高く評価されています。
また、『北斎漫画』などは、滑稽な風刺画を描き、独自の世界観を表現しています。
北斎の画業は日本だけでなく、世界中で愛され続けている浮世絵師でもあります。
歌川広重
歌川広重(うたがわひろしげ)は、江戸時代後期の浮世絵師であり、風景画の巨匠として知られています。
彼の代表作には『東海道五十三次』『江戸名所百景』などがあります。
広重は、風景画に人物を配置し、風景と人物のバランスをとることで、深みのある絵を作り出しました。
彼の作品には、美しい風景だけでなく、人々の暮らしが描かれており、当時の風俗や文化を知ることができます。
また、広重の技法には、鮮やかな色使いや、奥行きを表現する「遠近法」があり、その技法は後の画家たちにも大きな影響を与えたといわれています。
喜多川歌麿
喜多川歌麿は江戸時代後期に活躍した浮世絵師で、役者絵や美人画を得意としました。
その作品は優美で華やかであり、役者の表情や衣装、背景などの細かい描写が特徴的です。
代表作の1つに『青楼十二時』がありますが、遊女の内面までも描いた優美な作品であり、歌麿をして「北楼の絵師」を呼ばれる理由がわかるような作品です。
世界にも多くのファンがおり、後の浮世絵師にも大きな影響を与えました。
東洲斎写楽
東洲斎写楽は、わずか10カ月間に145点あまりの浮世絵を発表し、その後姿を消してしまった謎多き絵師です。
彼の代表作は、「役者絵」の中でも『大首絵(おおくびえ)』と呼ばれるもので、表現技法が斬新でセンセーショナルな画風を確立し、浮世絵界に新風を巻き起こしました。
独特のタッチと緻密な描写で、舞台役者の個性を見事に捉えています。また、彼は「十返舎一九(じゅっぺんしゃいっく」とのコラボレーションによる『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)』の挿絵も手がけています。
東洲斎写楽の作品は、彼独自のスタイルと芸術性によって、浮世絵界に大きなインパクトを与えました。
浮世絵とゴッホの絵画に注目
浮世絵とゴッホの人物画には、共通点が多く見られます。
浮世絵の人物画は、当時の風俗や芸能、武士など様々な人物を描いており、生き生きとした表情や独特な雰囲気が魅力です。
一方、ゴッホの人物画は、草原や農村などの風景にいる人物を描いており、力強い筆使いや鮮やかな色使いが特徴的です。
また、ゴッホは浮世絵にも影響を受けており、作品には浮世絵の要素が多く見られます。
浮世絵とゴッホの絵を比較しながら、それぞれの特徴や魅力を探ってみるのも、美術鑑賞の楽しみ方のひとつです。
・ゴッホの浮世絵
ゴッホは浮世絵に強い影響を受けた画家の一人であり、特に富士山には深い興味を抱いていました。
彼は富士山を何度も描き、その中でも有名なのが1889年に制作された「頭に包帯をした自画像」です。この作品は耳切り事件後に描かれたものであり、自画像の背後には浮世絵のような富士山の風景が描かれています。
この不思議な組み合わせは、ゴッホの芸術的感性と浮世絵への深い愛着が表現されたものといえます。
・ゴッホとひまわり
ゴッホは、1888年にアルルに滞在していたときに、当時アンリ・フルタンという画商のもとで働いていました。
エミール・シュフネールから紹介された日本の浮世絵に感銘を受け、その影響を受けて「ひまわり」を題材にした絵画を何点も制作しました。
特に、彼が1888年に制作した7点の「ひまわり」の絵画は有名で、現在は世界中の美術館に所蔵されています。
彼の独特な筆致と鮮やかな色使いが、浮世絵からの影響を感じさせます。
・ゴッホとタンギー爺さん
ゴッホは、浮世絵のような線の太さや色彩、背景の空虚さなどを取り入れ、独自の表現方法を生み出しました。
タンギー爺さんは、浮世絵の影響を受けた典型例です。
細い線を使わず、太い線で描かれた老人の表情は、力強く、強い印象を与えます。
背景には、浮世絵のように空間を表現する手法が用いられ、独特な世界観を作り出しています。
フィンセント・ファン・ゴッホの価値とは
ゴッホは、「狂気に満ちた作家」「執着心やこだわり」の他にも、生涯で売れたのは一枚のみというステレオタイプのイメージが強い作家です。
実際のゴッホは、そうであったともいえるし、そうでなかったともいえます。
ゴッホを考えたときに「生産性」を考えずにはいられません。
ゴッホは、生産性の低い或いは価値のない人間だったのでしょうか?
その答えは
ゴッホがいた世界の答えとゴッホがいない世界の答えで明確に違いがあります。
「生産性」や「価値」は、その時代の答えが間違っていたとしても、時代が変われば正解になる時もあるし、逆も然りです。
人生の答えは、ゴッホの作品やゴッホ自体の生き方に答えを導きだせるかも知れません。