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アイザック・ニュートンの秘められた一面
科学と迷信は、相容れないものなのか?
この問題に対して、真面目に取り組んだ人物がいます。
その名は、アイザック・ニュートン。
彼は、後世に多大なる影響を与えた偉大なる科学者として有名です。
しかし彼の飛び抜けた才能は、科学の分野に留まることなく、宗教・自然科学でも大いに功績を残したのです。
その一例が、錬金術。
この誰もが夢見る魔法をアイザック・ニュートンは、真剣に科学的に解明しようとしたのです。
当時も今も、魔法や迷信に否定的であるはずの科学者が、なぜ錬金術に打ちこんでいったのか?
アイザック・ニュートンの知られざる一面を少しお話しようと思います。
科学者としての顔と魔術師としての顔
科学者としてのアイザック・ニュートンは、あまりにも有名です。
しかし、魔術師としてのアイザック・ニュートンは、あまりにも無名です。
科学者としての顔と魔術師としての顔を持ち合わせたアイザック・ニュートンの素顔をご説明いたします。
・科学者アイザック・ニュートン
アイザック・ニュートンが歴代最高の天才であるのは、誰もが知っている事実です。
ニュートンの3大発見とは
・万有引力の発見
・微積分法
・光の分析
といったものです。
彼は、この発見をわずか23歳ぐらいで発表しているので、誰も理解できないような超絶天才だったのでしょう。
3大発見は、ペストが大流行した影響により、彼が無職となった2年間に研究した成果だそうです。
無職が3大発見になるとは、皮肉な巡り合わせですね。
それか無職も良い影響に作用とする教訓でしょうか。
無職のアイザック・ニュートンは、20代で数学においては、世界の誰よりも優秀な数学者だったのです。
その後のニュートンは、3大発見などによりナイトの称号を賜り、貴族アイザック・ニュートン卿となります。
彼の才能は、数学だけではなく自然科学・物理学・天文学など多岐に渡りました。
そして神学者でもあるニュートンが、研究結果として選んだのが錬金術なのです。
・魔術師アイザック・ニュートン
50歳ごろのアイザック・ニュートンは、奇妙な言動や行動が目立ちます。
長年の鬱病が発病したとか、錬金術研究で使用した水銀に影響しているなどとも言われています。
物事を論理的に考える学者が、なぜ魔術師となるのか?
ニュートンは、魔術を単なるオカルトと考えるのではなく、科学的な根拠に基づいて行われる方法だと考えたのではないでしょうか。
ニュートンに言わせれば、この世に起きる非科学的な事象も科学的に証明できるといった感じなのでしょう。
科学で錬金術を証明しようとしたのかも知れません。
彼は、神学者としての一面があり、古代から言い伝えられている現象や神々の言葉も、科学で証明できるという自信に満ち満ちていたのです。
彼はある一つの仮説に辿り着きます。
物質は、一つの塊ではなく、細かい粒子が積み重なった物質であるならば、一つの粒子を取り除くことによって、物質変換が可能ではないかという仮説です。
錬金術で言えば、物質を変換できる「賢者の石」が必要なのではないか?
アイザック・ニュートンは、古い文献や神話に残る言い伝えから、この真理に辿り着いたのです。
神話と科学の融合:アイザック・ニュートンの錬金術への情熱
アイザック・ニュートンは、神話や言い伝えはオカルトではなく、一つの真理だという考えの持ち主でした。
その為、錬金術に必要な「賢者の石」を探す旅に出かけるのです。
錬金術は、果たしてニュートンが仮説を立てたどおりなのでしょうか?
もしニュートンが立てた仮説が正しいのならば、莫大な富が約束された一大発明です。
野心に燃える無職のニュートンは、錬金術を20代後半から30代にかけて、熱心に錬金術実験を重ねるのでした。
・賢者の石とは
賢者の石とは、鉛や銅などの卑金属を金に変え、人間を不老不死にする薬石とされています。
12世紀ごろからイスラム教から、錬金術なる方法が波及されると、ヨーロッパでは、賢者の石探しが大流行します。
この賢者の石の生成方法ですが、水銀と硫黄、塩などの構成比率を掛け合わした何らかの反応を繰り返すことにより生成できると考えられていました。
ニュートンは、この賢者の石を科学的アプローチで生成できないか、仮説を立て、研究と実験を繰り返します。
物質を粒子レベルまでに分解し、その上で新しい物質に作り変える作業こそが、彼が考えた錬金術です。
しかし、ご存知のように、錬金術は夢のまた夢で終わるのです。
・錬金術は本当に不可能なのか?
中世ヨーロッパで爆発的に流行した錬金術ですが、本当に不可能なのでしょうか?
現代科学の答えは、不可能ではなく、限りなく不可能であるとの事です。
理論上、原子の組み替えによる「新しい原子」を作ることは可能であるが、現代科学では不可能なのです。
アイザック・ニュートンの錬金術は、失敗に終わりましたが、時を超えて、その研究結果が成功に導く日があるかも知れません。
何百年後かに、世界が、金やダイヤモンドに溢れ返ったとき、アイザック・ニュートンは、天才数学者ではなく、天才錬金術師として有名なっているかも知れません。
まとめ:アイザック・ニュートンが求めたもの
アイザック・ニュートンが求めたものとは、一体何だったのでしょう。
彼は、物事の真理を知りたかっただけのような気もします。
誰よりも勉学に勤しみ、研究に没頭したのは、彼の知りたいという欲求の賜物です。
ニュートンは、複雑な家庭環境により、親の愛を知りませんでした。
ペストの影響により、無職を余儀なくされました。
この因果関係の根拠を、合理的にあり得るレベルにまで、或いは、自分が納得するレベルにまで落としこもうとしていたのかも知れません。
彼は、82歳で生涯を閉じますが、生涯研究に没頭した人物です。
その背景には、なぜ自分が不条理な世界に生きなければならなかったのかといった存在理由を知りたかっただけなのでは、ないのでしょうか。